2010-07-25

「フェアリーとヒトの大会」参加レポート Yoshiko McFarland

「フェアリーとヒトの大会」参加レポート

Yoshiko McFarland


10周年目のFairy Congress という催しが、6月25日から28日までWA(ワシントン州)の北東、森林地帯と砂漠地の境界の人里はなれた広大なメドウ、Skalitude Retreatで行われました。シアトル郊外の我が家から5時間弱車を走らせて夫婦で初参加しました。

シアトル地域の6月は例年最も晴天が多いはずなのに、今年は雨の降らない日がほとんどない異常天候。道中の川はみな溢れそうでしたが、ここでは4日間とも晴天。会場には、松林、ルパイン、マリポサ、ノバラ、ブルーフラクス、マスタードその他色・形とりどりの花々が輝き、いかにも妖精たちが潜んでいそうです。

フェアリーと聞くと、日本人はお子さま向けかと思いがちですが、赤ちゃんから80代までの約250人の参加者のうち圧倒的多数は大人のリピーター。フェアリーを「私たちと同じ地球上の日常的な場を共有しながら違う次元に棲む存在」と捉え、繊細な彼らに耳澄し心開いて、いのちを深めエンパワーする人々の集いらしいと、半日過ごすと感じられました。

サンフランシスコ在住のころ夫が、世界的にも著名な古代ケルト文化伝承者で著書多数,当時北CAに住んでおられたアイルランド人、RJスチュワートの講義をはるばるよく聴きに行ってました。そんな関係で去年の秋私たちのWA州滞在中に、RJがシアトル講義のあと立ち寄られ、その折の同伴者が、WAのFairy Congressの創始者Michael Pilarski (通称スキータ)でした。スキータは元WAのヒッピー社会のリーダー、現在はパーマカルチュアの指導者だそうで、私が製作中の畑土にも助言をくださいました。お二人の雰囲気がとても魅力的で、このイベントに誘われるまま夫婦でほいほいとやって来たのです。銀クリーム色長髪のRJも初期からこのイベントのブレインかつメインのプレゼンター。彼の語り口、笛・ハープ・ギターの演奏、歌は独特でRJ節ともいえそうな世界に引き込まれます。夫同様に彼がお目当ての参加者も多そうでした。(敬称略)

参加者の大半は松林の下でキャンプ。私たちはテントがないので車で20分のモテルから通いましたが、イベントは3食付。オフィス・テントにはレクチュア・儀式・ダンス・歌などの予定表と場所が貼りだされ、講師たちの関連書籍と持ち寄りの寄贈品が当たる資金集めクジ、イベント・Tシャツなどを売る以外、一般商品販売は全くなし。テントまたは樹下の講義は、午前・午後に1時間半ずつあり、選択して参加。時間も風もゆったりと流れ、ふと異次元に迷い込みそうです。

http://www.fairycongress.com/
(このサイトで過去年の催しの様子を動画で見られます。)













歩くのが好きな私たちは、早起きして毎朝メドウの反対側へ斜面を登り森にも分け入りました。登ると誰も居なくて大地やお日様の声が聞こえます。遠くには雪山の峯も。メドウにはいくつもの渦巻きが芝刈り機で描かれていました。

片隅にはRJがデザインしたストーン・サークルも作られています。本場のように大岩は使ってませんが古代ケルトの伝統に従った岩の配置で、主な儀式はここで行われます。

Fairy Congressは、スキータの「発明」ではなく、彼がイギリスのDaphne Charters (1910-91)の本に感動、刺激されて、彼女がアストラル界で体験したヒトとフェアリーが交流するコングレスを彼女の許可を得て2001年に現実世界に持ち込んだのだそうです。ダフニは、38歳で夫に先立たれてから夫の霊との交流が始まり、次々アストラル界の友を増やし、多くのフェアリーたちの語りを記録したそうです。

このイベントはここSkalitudeでスタートしたものの、一時はもっと人の集まりやすいオレゴンのフット川畔に移されたそうです。するとコマーシャリズムが侵入してイメージが違ってしまうとわかって、再びWAの奥深くにもどしたんだと、スキータは話してくれました。


毎朝7時から集まりたい人々が集まって輪になり、フェアリーに呼びかける・母音をハモらせる・歌う・踊るなどします。ほとんどが即興。次々と自発的にリーダーが前に出て、次はこうやろうと言えば、みなそうする、たとえば初参加の私でも、もしやろうと手を上げさえすれば約100人の陽気な群集を一時的に指揮できる仕組みのようです。誰かのやりたい気持ちがみなからサポートされる、それが気持ちよければ拍手を受ける、目立たないでいたければそれもよし。

朝日を浴びた自然の中で発声し、身体を十分に動かして大きな輪の一部になる心地よさ。


メドウには輝く白旗が立ち並ぶ輪があります。スキータに尋ねると、それは平和のシンボルとして協力者の一女性が数年前にデザインしたそうです。常に翻ってコングレスの空気を震わせます。中央でヨガをする人もいました。



The turning planet_
kids play hide-and-seek
with "The Peace"

地球は回る 子らは「平和」とかくれんぼ













 







Summer clouds_
laughing fairies runs
through his spine

夏の雲 妖精は笑って背骨駈けぬけ



A cloud finds
his ring dropped
on the ground

見付けたよ 地上に落ちた雲の指輪




私には200人以上ものためのお台所体験がなかったので、アバウトながら機能的な仕組みに驚きました。

キチン設備はざっとこんなふうです。

・屋根のみのテント下にずらりとテーブル。
・井戸から引いた蛇口が3箇所。
・電気はロッジにソーラパネル発電があるだけ。テントのキチンには冷蔵庫がなく、アイスチェストのみ。したがって使用待ちの食材は風通しのいいテーブルの下、だからメニューには食中毒の恐れのある動物性食品は少量のみ。
・調理器具は多種豊富。
・食器。お皿・椀・ナイフ・フォーク・スプーンは長年の寄付による半端ものの寄せ集めながら全員にいきわたる。

きまり:
・参加者全員は会期中に各2時間以上の奉仕作業をする。
・みなでシェアする食材の寄付も奨励されている。
・食事の鐘がなると、並んで食器をとり、それぞれのお皿に自分で盛り付ける。
・お茶や食事で使用した食器はそれぞれ自分で洗う。残り物はゴミ箱にぬぐい落としてから4個の洗いおけの工程を経る。オーガニック洗剤溶液2種のなかでスポンジで洗ってからゆすぎ水に2度くぐらせる流れ作業。井戸水の量が限られるので、貯め水は後になるほど汚るが、洗いかごで日光を浴びるので、ま、大丈夫。調理前の手だけは蛇口で丁寧に洗う。ゴミはほとんど出ない。調理時や残り物のゴミはコンポストに入る。

こんな条件下でメインのシェフの女性は、集まった食材からサラダや炒め物、シチュウなどのメニューを考え、上半身裸の戦士のような男性が飛び回って指揮を執り、普段キチンに立たない人や子供たちをうまく使ってなかなかおいしいお料理をタイミングよく作ります。主催者参加者がエコ的な人々なので、食材もほとんどがオーガニック。マン・ビーンズ、グリンピースなどの生モヤシは私にははじめてでしたが、おいしかったので帰宅後も我が家で有機豆のモヤシつくり習慣ができたほどです。


食卓や野の好きなところでおしゃべりを楽しみながら食べます。

食事用に1時間半もあるので夫とはここでは別行動とし、いろんな人とゆっくり会話を楽しみました。モンタナのハーフ先住民のサンダンサー、オーストラリアの健康関係ライター、オレゴン・カリフォルニアの植物通、カナダはバンクーバーのグループ、そしてシアトルの近郊に住むエンジニアや先生、マッサージャーなどと多彩。2時間以内からの参加者は、キチンで一緒に働いた仲間くらいでした。メイン・プレゼンターのRJ夫妻も、2,3日前に北CAからイリノイに引っ越したばかりの中を駆けつけてきたのでした。常連たちからは、毎年ここで友好を深めている様子が感じられました。

食事時間以外でもティー・ブースで好みの飲み物を自分で入れて飲んだり、クラッカーやおいしいオーガニック・パンにハニーを塗って食べられます。イラクサとミントを合わせたハーブ茶が意外によかったです。よくあるコンベンションなどのように焦る必要がなく、ゆったりと移動します。


Kids' Fairy World というコーナーがあって、学生たちがちびっ子たちにいろいろな制作や遊びをリードしています。ダンボールでの巣作り、絵箱、ヤーンの飾り物、ファンタジーな絵・・それらは後でほしい人にプレゼントされました。

子供同士の喧嘩がはじまる場面は見かけましたが、ほとんどの子供はマナーがよくてトイレが汚れることもなく、駄々をこねる場面にも出合いませんでした。


キチンのボランティアでは、6歳くらいからの少年少女が小さな手でリンゴやにんじんを切ります。シェフはやり方を落ち着いて教えたあとはすっかり彼らに任せています。私が初体験のカッター利用を頼まれたとき、「ここはこのように気をつけてね」などと、女の子が寄ってきて自分が習ったように教えてくれました。こどもは、大人と対等に仕事を任された誇りを満面に表し懸命に働きます。ははぁ、大人のようにやりたい気持ちがマナーの鍵だったか。テーブルに背が足りないので踏み台に立ち、まな板に向かって、慎重に切ります。おーっと、ストップ!!リンゴに包丁の背をのせて刃先を指で押そうとしました。やっぱり誰かがそれとなく見てないとね。

草の上にひろげられた濡れタオル上ではたくさんの蝶たちもコングレスを開いています。

The water fairies touched
evaporates in the sky
spreading the vibration

フェアリーの触れし水 波動をひろげ空中へ



講義は、テント・樹下・ロッジの広間などに分かれて行われ、選んで受講。例えば私は樹林気功に似たやり方と古代のオーガム記号を組んで自分専用の占いを組み上げるクラスや、RJによる3本の等身大の棒に魔力を与えて自分の奥を観、占うケルトの伝統法、インデアンドラムの音に乗って飛翔し天候を操る存在を訪ねて質問し、もどって来る旅、ミセスRJによる、体の中で今知恵が湧く場所を探して、Sea Treeと称する海で晒され丸められた小さな木切れを使って託宣を得る方法などを受講しました。

私はフェアリーもエンジェルもマジックも文化と捉えて楽しんでますが、本気でその存在や力を信じる人々もけっこう居ることに気づかされました。私でさえもRJの語りを聴いていると、ただの棒切れが次第に特別な存在に変化したように思えてきます。彼は講義の録音・録画を許しませんが、生の声のことばの威力に触れて、納得でした。


夜には会場の小さなステージで歌やハープ、ギターなどの演奏があり、今回初対面同士がいきなり即興でハモる合唱など、みごとでした。ここには特別にハーモニーを生みやすい空気が満ちているのかもしれません。

土曜の夜遅く、RJ夫妻もロッジでコンサートを開きました。夫妻は20歳以上の年齢差、ワイフのアナスターシャは若いのに薬草や欧州古代の知識が深く、女優顔負けの美人でしかも透きとおった声の歌い手。RJのギター伴奏でのデュエットはさすが息が合います。RJは大昔の歌も歌い、最近の自作の曲も披露。パブなどの日常の光景やニュースから想像を膨らませ、ユーモアたっぷり。


a drummer's back
listens to a song
of fairies

妖精の歌を背で聴く太鼓打ち










2日目土曜の夜は、メインのコングレス儀式とパレードがあり、夕食時前後からみなコスチュームを着込みます。大きな蝶がたくさん羽ばたきます。山が東西に伸びているので日がはやく落ち、風が急に冷たくなる中で裸に小さな翼をつけたキューピットもいます。







リサイクル魔術で生き延びている私は、例によって友人のお古のショッキングな朱のスカートからダーク・オレンジ絞りの2ピース・ドレスを得、30年使いふるした帽子のつばをはずしてビデオテープで編み変え、昆虫の触覚と目玉つきの帽子、その共ベルトといういでたち。(右写真の右端)きらきらするビデオテープが人気を呼び、何十人もから写真を撮られました。古テープをゴミ箱に捨てていた若者たちが、別目的への再利用に気づいてくれるサンプルとして、この帽子は、帰り際にパーマ・カルチュアのリーダーでもあるスキータに進呈しました。

 








コングレス・メインの儀式はストーンサークルで。日暮れ前、アナスタシアが女祭祀を務め、参加者全員が輪になって歌ったあと、鳥獣・虫・花・木などのテーマの6班に分け、班毎にテーマから思いつくことばを募り、班全体でそれらのことばを音声と体で表現するという課題が与えられました。10分ほどの討議の後、いきなり本番でそれぞれ他班に見せるのですが、ノートもとってないのに即席の各班長の記憶と判断のいいこと!替え歌やシュプレヒコールに演出するなど当意即妙の表現力に舌を巻きました。教育法に、日本で私たちが受けたのと違いがあるのかもしれません。


パレードというのでメドウ内のトレイルを練り歩くのかと想っていたら、急激に一目散で駆け出したりぐるぐる回ったり、草むらに飛び込んだり。奇妙な仮面たちが眼前に近づいては消え去る。太鼓に合わせてヒトもフェアリーも踊り狂ったのでありました。

このイベント会場での写真には、肉眼で見えなかった球体がふわふわと浮かんで映る現象がときに見られるのだそうです。・・きました、私のデジタルカメラにも。

薄暗くなってから踊りまくる大男に担がれたアナスタシアとメドウの真ん中の小さな焚き火を撮った2枚の写真の中に。
 



A full moon peeks
at dancing orbs with people
on the globe

地上にヒトと踊る球 満月が覗きみる







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