2011-02-27

テキスト版 201号投稿作品(石川順一 真鍋修也 赤間学)

 雪 中   石川順一

雪の中カートは白きテロに遭う

灰色のカートが雪の中でテロ

激走が雪の中では歩き出し

軽量のカートの脚に吹雪けり

真夜中に雪の落下の音を聞く

吹雪く時神の怒りが爆発し

軽量のカートに雪の重みかな

完全な神の怒りは雪の中

もし今が永遠なれば雪の中

吹雪く中神の怒りを知悉する





 咳    真鍋修也

クリスマスイブや仲間の底話

仕事終へがらんと白き咳始め

食積やしばししばしの惑ひ箸

幾度目の入院なるや山眠る

白い影これが肺炎咳の本

延びにけりペースメーカー交換日

点滴にぽたり呟く若菜かな

人日や点滴一架客来る

病人の汁粉に餅なし鏡割り

双六や弄ばれる上り前




 風 葬   赤間学

藁にほや農婦の奥の雲眩し

父のこゑありて新年明けにけり

海に石投げる工事や船うらら

鶏を潰しにゆくや冬の川

凍空へもっこの土を下しけり

津軽平野の凍てつゐて三四人

縄文人の骨の飢餓線冬銀河

ぼたん雪狼いまもゐるごとく

木の実張る全山いよよ風の中

草萌や大河は空に蛇行せり

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