〔10句競作を読む〕
ことばの距離感とリズム 鴇田智哉
ウヰスキー色の仏陀やひこばゆる 村越 敦 ( 「いびつ」より)
のどかとも違った、何だろう。
軽やかな感じ、木琴の音とかが聞こえてくる。
つまり、なんだか楽しい。
造られて公園となるチューリップ 同
新しい公園だ。
何となく、チューリップが公園になってしまったかのようにも読めて、そこがうれしい。
松いびつ桜が咲けば人の出て 同
松いびつ、と一回言うと、何度も言いたくなる。
つぶやくように言うと効果的だ。
松いびつ、とつぶやいている間に桜は咲き、人は出てくる。
いつまでも同じなのは、松いびつ。
ことばの距離感とリズムと、作者はおもしろい勘の持ち主だと感じた。
≫週刊俳句「10句競作」第1回
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2011-08-14
〔10句競作を読む〕鴇田智哉
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