後記 ● 生駒大祐
10句作品をお寄せいただいた田中朋子さんは、本年度の現代俳句協会・年度作品賞(≫こちら)、宮本佳世乃さんは本年度の豆の木賞(ついでに言えば、小誌「10句競作」第2回の第一席 ≫こちら)。いま旬の受賞作家をおふたりお迎えしました。
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最近、久しぶりに会う俳句の友人が開いた食事会に行ったのですが、そのときに「俳句は制限が厳しいっていうけれど、音楽だって音階はかなり限られてるけれど多彩な旋律が作られてるよね」という話が出ました。もちろん飲み会の席なので、そこまで厳密な話ではなくその場でも話題はさらさらと流れていったのですが、駅までの帰り道を歩いているときに僕はうーんと考え込んでしまいました。「音楽における奏者による演奏の"癖"は俳句においての何にあたるのだろうか」と。
音楽の楽譜を俳句の言葉に喩えるならば、演奏の"癖"は句を読む際のリズムや韻律の受け取り方にあたるでしょう。句の中の単語に対して各読者の持つ知的バックグラウンドは人によって違えど、韻律やリズムに対しては普遍性が発生しているように僕などは思ってしまいがちですが、そういえば句会の披講の発声には各人の"癖"があるように思います。これは各読者が句から読み取る世界観へ意外に大きな影響を与えているのではないでしょうか。
そしてそれは作者が制御可能なものなのでしょうか。
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小誌「週刊俳句」編集の『俳コレ』発売が迫ってまいりました。邑書林によるサイトは下記のとおり。
≫ホームページ 注文もこちらからできます(右上のタブ)。
≫「俳コレ&俳コレ竟宴ブログ」。日々の動き。
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では、また次の日曜日にお会いしましょう。
no.240/2011-11-27 profile
■田中朋子 たなか・ともこ
1954年生まれ。所属結社「麦」。星座・射手座。好きなもの・おにぎりとカステラ。好きな色・ピンク。句集『ぶりっ子』(2005年・文学の森)。2011年、第12回現代俳句協会年度作品賞。
■宮本佳世乃 みやもと・かよの
1974年生まれ。「炎環」同人。「豆の木」会員。現代俳句協会青年部委員。2010年、合同句集「きざし」。http://furansudo.ocnk.net/product/1609 「きれいな短冊」売ってます。http://tanzakuya.blog.fc2.com/
■鈴木牛後 すずき・ぎゅうご
1961年生まれ。「いつき組」組員。「藍生」会員。
北海道北部の片田舎で、ほそぼそと牛飼いをしながら俳句を作っている。
■野口 裕 のぐち・ゆたか
1952 年兵庫県尼崎市生まれ。最終号となる、二人誌「五七五定型」(小池正博・野口裕)第五号を鋭意作成中。既刊希望の方は、yutakanoguti@mail.goo.ne.jp まで。進呈します。サイト「野口家のホーム ページ」
■西丘伊吹 にしおか・いぶき
1987年、東京生まれ。慶大俳句にて俳句を始める。2010年より、女性4人で作る俳句と変奏のzine “hi→”にて活動(2011年12月末に6号刊行予定)。hi→サイト:http://www.hi-ku.net/
■生駒大祐 いこま・だいすけ
1987年三重県生まれ。「天為」「トーキョーハイクライターズクラブ」所属。「東大俳句会」等で活動。blog:湿度100‰
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2011-11-27
後記+プロフィール240
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