【週俳2月の俳句を読む】
パキッと鳴る
対中いずみ
太陽は闇をおしあげ厚氷 南十二国
ダイナミックな句だ。この厚氷は、それこそ北極とかの分厚いものが思われる。極寒の中でも、日は昇る。地球の呼吸のような大きさを思う。
落葉これ土に喰い込む途中かな 谷口慎也
落葉が何かにひっかかっている、とか、ささっている、とかはときどき見かけるように思いますが、「土に喰い込む途中」という把握が面白いと思いました。「途中」の一言で、土に落ちたばかり時間から、やがて土になっていくまでの長い長い時間が思われます。いまはまだ「途中」なんですよね、ほんとうに。
大寒の背骨は小さき骨の群れ 小林鮎美
背骨を伸ばすと、何かがパキッと鳴ることがある。何かって、多分、骨なんだろうけれど。そんな時しか背骨を意識することはなかったけれど、人体模型図か何かでいつかどこかで目にしたモノ。そのありようが句に詠まれた面白さ。パキッという音の感覚が、大暑ではなく、たしかに大寒だなぁ、と思う。〈如月の川の光よ頑張れない〉の脱力感にも惹かれた。
第250号 2012年2月5日
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2012-03-11
【週俳2月の俳句を読む】対中いずみ
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