2012-03-11

【週俳2月の俳句を読む】対中いずみ

【週俳2月の俳句を読む】
パキッと鳴る
対中いずみ


太陽は闇をおしあげ厚氷  南十二国

ダイナミックな句だ。この厚氷は、それこそ北極とかの分厚いものが思われる。極寒の中でも、日は昇る。地球の呼吸のような大きさを思う。


落葉これ土に喰い込む途中かな  谷口慎也
 
落葉が何かにひっかかっている、とか、ささっている、とかはときどき見かけるように思いますが、「土に喰い込む途中」という把握が面白いと思いました。「途中」の一言で、土に落ちたばかり時間から、やがて土になっていくまでの長い長い時間が思われます。いまはまだ「途中」なんですよね、ほんとうに。


大寒の背骨は小さき骨の群れ  小林鮎美
 
背骨を伸ばすと、何かがパキッと鳴ることがある。何かって、多分、骨なんだろうけれど。そんな時しか背骨を意識することはなかったけれど、人体模型図か何かでいつかどこかで目にしたモノ。そのありようが句に詠まれた面白さ。パキッという音の感覚が、大暑ではなく、たしかに大寒だなぁ、と思う。〈如月の川の光よ頑張れない〉の脱力感にも惹かれた。


第250号 2012年2月5日
【『俳コレ』作家特集】
齋藤朝比古 大階段 7句 ≫読む
津川絵理子 春 寒 7句 ≫読む
岡村知昭 待ち伏せ 7句 ≫読む
南 十二国 おはよ 7句 ≫読む

第251号 2012年2月12日
谷口慎也 流離譚 10句 ≫読む
中山奈々 ライブハウス 10句 ≫読む

第252号 2012年2月19日
小林鮎美 ワーカーズ・ダイジェスト 10句 ≫読む

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