後記 ● 上田信治
関悦史さんのご提案で、二つの「平成百人一句」を、掲載することができました。関さんありがとうございます。
宗田版と比べると若い作家の比率が多く、「老人と子供の百句」のような趣きになっている。その分こちらの方が、間に挟まる無風・伝統回帰の時期の、壮年作家たちの官僚的ともいえるような秀句を多く採り逃している。(関悦史「無風であったはずの時期の百句」)
関さん、思ってることが、口から出ちゃってますよ。
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宗田さんが作者の生年月日順の配列、関さんが句集刊行年順の配列で、それぞれ、リストには、生年月日と刊行年月が付されている。お二人の綿密なお仕事に感嘆します。
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こういうミニアンソロジーは、自分も作ったことがありまして、こう、ちょっと人を一所懸命にさせるところがある。思い出せる限り思い出し、読める限りは読んで選ぼうと、がんばってしまうわけです。
いい句を見逃したら作者に気の毒、ということもあるのですが、より強くは、その十年なら十年の「俳句の面目」を施したいという気持ちになる。ずいぶん勝手な使命感です。
じつは、この5月に、また一個作りました。7月に紙で出ますので、また何らかの形で、お知らせします。
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それではまた次の日曜日にお会いしましょう。
no.371/2014-6-1 profile
■陽 美保子 よう・みほこ
1957年島根県生まれ、札幌市在住。俳人協会会員、「泉」同人。第22回俳壇賞、句集『遥かなる水』にて第16回北海道俳人協会賞。
■宗田安正 そうだ・やすまさ
1930年生まれ。編集者として『現代俳句全集』(全六巻・立風書房
1977~)ほか、多くの全集、事典等を編纂。句集『個室』『巨眼抄』『百塔』。
■関悦史 せき・えつし
1969年、茨城生まれ。第1回芝不器男俳句新人賞城戸朱理奨励賞、第11回俳句界評論賞受賞。「豈」同人。共著『新撰21』(邑書林)。句集『六十億本の回転する曲がつた棒』(2011)にて第3回田中裕明賞を受賞。URL:http://etushinoheya.web.
■小林苑を こばやし・そのお
1949年東京生まれ。「里」「月天」「百句会」「塵風」所属。句集「点る」(2010年)。
■馬場古戸暢 ばば・ことのぶ
1983年生まれ。自由律俳句(随句)結社「草原」同人。
■西原天気 さいばら・てんき1955年生まれ。「月天」同人。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。ブログ「俳句的日常」 twitter
■上田信治 うえだ・しんじ
1961年生れ。共著『超新撰21』(2010)『虚子に学ぶ俳句365日』(2011)共編『俳コレ』(2012)ほか。
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