2014-11-02

落選展2014 1 霾のグリエ 赤野四羽

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週刊俳句 第393号 2014-11-02
2014落選展 1 霾のグリエ 赤野四羽
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2 comments:

片岡 義順 さんのコメント...

四羽さんのコメント...
パリの虹モディリアーニはぬれ鼠
パリ、虹、モディリアーニ、ぬれ鼠の四重奏による、20世紀レトロモダン感! なかなか出せるものではありません。
葱洗ふ嫁の依怙地や手の白き
こちらも、情念を背負う語の畳み掛けが強烈。手に思わず力が入るというもの。
三島由紀夫雪ひかる朝日本刀
いや、三島をここまでストレートに詠む気概はすごいと思う。昭和は遠くなりにけり。
昭和邦画的、20世紀的なレトロモダン感がうまく効いたとき、オンリーワンの魅力が滲み出る。
2014年12月21日 2:12  
赤野四羽さんコメントありがとうございます・・「昭和邦画的・・」「20世紀レトロモダン感!・・ウーン! あそうか!やっぱり!なるほど!・・自分の句が“見えた”思いがしました(自分の句は決して客観視できない)・・率直なご感想ありがとうございます・・余念のないところで句の時代、句柄、作者の資質等を読み取ろうとするその句眼に敬服です。
   <霾のグリエ  赤野四羽>へのコメント
本名でない?女性?・・「グリエ・・ジュリ」は仏語・・予備知識はゼロ、丹念に読み真摯に向き合った・・
氏の資質の際立つ句を選ぶと・・
姥桜花見するひとをみてゐる
未来への河に滴る灰汁の春
軒下に現地集合春の蚊よ
上下左右街を歩かば絵踏かな
坂道を下る蜻蛉の高さかな
冬闇に十字切りたる警備員
人形よ糸断ち歩め細雪
鼻欠けた狛に影揺る初燈
 50句冒頭の3句と最後の3句がエッセンスです。 この感慨は、人生の盛りを過ぎた“団塊世代”のそれでしょうか・・生きる不安と哀しみ、ひたすらひた向きな姿勢・・垣間見えるインテリジェンスと芸術感・・そして持ち続ける文学への情熱・・等々、氏の生きざまと時代が浮かびあがってきました・・一般論ですが「時代と精神」の見えない句(閉所的ひとりごと)は将来に残らない・・俳句に限らず、優れた芸術作品というのは「その時代の人と精神と文化」を反映象徴している・・そしてそれを将来に残そうとする強烈な意志(芸術的感興=表に出ているわけではない=本人も無意識)の感じられるものです・・50句を読みながら、作者の風貌人柄その背景等を想像逞しくした・・=これは私の鑑賞の大きな楽しみのひとつです・・

今日本では、この2000年培ってきた「歴史と文化と伝統」が、ガタガタ音をたてて崩壊している、瓦解の真っただ中にある・・社会現象のあらゆるジャンルで=政治学問文化スポーツ、それにお寿司も・・
・・scrap and build 100年―200年の後には、想像するに困難な“新日本”が誕生しているはずです・・世界の人種、言葉、文化が融合一体化された“新日本”が・・それに“新日本文化”も・・そしてほどなく、文化遺産となった“悠久2000年の日本”を懐かしむ“一大文化運動”=「日本ロマン」=が巻き起こるのではないでしょうか・・

未曾有のこの大変革に俳句も例外ではない・・外国文化=無秩序に際限なく流入する“外国語”を吸収し融合せしめたであろうか?・・季語は?脱落したもの加わったもの=文化的背景としてある“季節感”は変質したか?・・タブーとされる表現表記に変化はあったか?・・和歌(短歌)→俳偕(連句)→発句→俳句→次は?・・はたしてメードイン子規の“俳句”の名称は残されたであろうか?・・世界に類例をみない575短型詩俳句と外国文化との「葛藤とミックス」(重要なワードですがこの言葉しか思いつかない)・・これは俳句史上、最高最大のイヴェントである・・生き永らえて見たいが・・若者諸氏は是非是非ご覧あれ!・・否、この“ペリー大艦隊”と一戦を交えていただきたいもの(笑)・・

この視点から読めば氏の50句は「昭和ロマン」を彷彿とさせます・・「大正ロマン、昭和ロマン」人々は、これらの言葉からどのような時代を思い浮かべ懐かしむのだろうか・・「近江の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのに 古思ほゆ」(万葉集 柿本人麻呂)・・さりながら、何はともあれ“俳句芸”なるものは熟年を過ぎて「最も輝きを増す」・・また熟年を過ぎれば「最も輝きを欲しがる」・・それまでは蓄積、修業、旅人です・・もっと図太く、もっと高みを、さらに透明に、さらに知性の先鋭化!を目指していただき、否!目指してゆきたいものです(微笑)・・
片岡義順

片岡 義順 さんのコメント...

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