【八田木枯の一句】
春を待つこころに鳥がゐて動く
西村麒麟
『鏡騒』(2010年)より。
春を待つこころに鳥がゐて動く 八田木枯
心には鳥がいて、飛び出したくてうずうずしている。全句集には他に〈春を待つ空の下より空を見て〉〈春待つや胸に鼓の白拍子〉があるが、この句が一番ウキウキ感が強い句ではないだろうか。
〈生きてゐるうちは老人雁わたし〉なんてのもある。肉体は老い衰えてしまうけれども、心はまた別のところにあるはずだ。この句にも心の鳥を感じる。
八田木枯の心にはいつも若々しいもの、いや自由なものと呼んだ方が良い何かが羽ばたいている。
心の鳥とはなんの鳥だろうか、鶴ではちょっと格好良すぎるだろう。しかしあえての鶴か。木枯さんは死後も読者と遊んでくれる。心に鳥を飼うなら何が良いだろう。
ばさばさ。いや、ばさりか。
2015-02-01
【八田木枯の一句】春を待つこころに鳥がゐて動く 西村麒麟
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 comments:
コメントを投稿