自由律俳句を読む 94
高沢坡柳〔2〕
馬場古戸暢
前回に引き続き、高沢坡柳句を鑑賞する。
果せぬ思いあり石女着飾りて鳳仙花 高沢坡柳
石女という単語を未だ日常生活できいたことがないが、昔は普通に用いていたのかどうか気になっている。彼女たちにもいろいろな苦悩があったことだろうか。
藤の花落ちる岩水溜りに春のこり 同
藤の花の美しさに、春の残りを見出した句。こうした写生句は、今後も詠まれて行ってほしい。
姉とし妹として鬼灯色づき上る 同
鬼灯を少女が持ってどこかへ行く風習があったような記憶があるが、仔細を覚えていない。そうした風習を詠んだものか。ご存知の方がいらっしゃれば、ご教授のほどよろしくお願いいたします。
朝顔種はじけ蔓ばかり抗の乾割れ 同
朝顔を思い出せば、およそ掲句のような景が自然と浮かんでくる。朝顔の様子は、百年前も今もさほど変わっていないのだろう。
鳰は吾が水とおもう雲映り 同
この句を読むまで、カイツブリという名前を知らなかった。画像を見てみると、確かにどこかで遭遇したことがあるような鳥であった。牧歌的な景である。
2015-05-24
自由律俳句を読む 94 高沢坡柳〔2〕 馬場古戸暢
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