【八田木枯の一句】
天井の上に天あり水中り
西村麒麟
『夜さり』(2004年)より。
天井の上に天あり水中り 八田木枯
あぁ、痛い。お腹が痛い。
眠くて眠るのと病気で横になっているのとでは大分違う。
病気で横になっている時には、寂しく、退屈であり、それを過ぎると何だか頭の中が冴えてきて透明な気分になる。
幼い頃、虚弱体質と喘息でたびたび入院をしていたが、することもなく、そもそも元気でもなかったので、よく天井を見つめていた。二日や三日の話ではなく、毎日毎日天井を見つめていた。
信じないかもしれないけれど、これが結構楽しいのだ。
あぁ、痛い痛い…。
天井の上に空が、いや、天か。
病人には病人の、楽しい遊びがある。
2015-05-24
【八田木枯の一句】天井の上に天あり水中り 西村麒麟
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 comments:
コメントを投稿