【八田木枯の一句】
あはやあはやの日本一億玉砕忌
西村麒麟
あはやあはやの日本一億玉砕忌 八田木枯
『鏡騒』以後・「鏡」第2号(2011年10月)「六十六年目の夏」
八月を秋だと実感できないのは、残暑が続くからだけではない。広島忌、長崎忌、終戦日、と正直書くのもうんざりする、どんよりとした、どろりとした記憶の日が続くからではないだろうか。
遅過ぎたのだろうが、なんとか終戦を迎えた八月。
怒り、絶望、虚しさ、安堵、敗戦の日を迎えた人々の心は、よくわかりますだなんて口が裂けても言う気にはならない。
とにかく、日本一億玉砕忌とならなかったことだけはよかった。
戦後七十年だが、まだまだションボリしていて良い、八月はそういう月だ。
「あはやあはや」の恐怖は冗談じゃないのだ。
2015-08-16
【八田木枯の一句】あはやあはやの日本一億玉砕忌 西村麒麟
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