竹岡一郎
進(スス)メ非時(トキジク)悲(ヒ)ノ霊(タマ)ダ
番外篇:正義は詩じゃないなら自らの悪を詠い造兵廠の株価鰻上りに指咥えてる君へまつろう者を俳人と称えるが百年の計にせよ季無き空爆を超える為まつろわぬゆえ祀られ得ぬ季語へはじめてのうっちゃり
三島忌の首都を見下ろすオスプレイ
どの寒紅も戦火を血をよそほふ
恐竜の脳漿凍みる地を遁れ
鶴蒼く告ぐは空爆たる恐怖(テロル)
ウォール街聖夜を匂ふ血の大河
嗚咽し爆撃し墜つるイワンの馬鹿へ聖夜
よぢれた焼芋くるみ大戦の号外
あられ高鳴れば襤褸の蜂起かな
坑儒する彼奴らも鷲に喰はれゆく
をはらない縄跳の輪へ灰と雪
砂の郷(くに)発ち原爆となる二十歳
雪像の聖母の乳房鉄が沁み
雑踏や華やぐ死相ながれて冬
歪む螺旋の路這ふ僕もいつか鮫
大聖樹より悉く砂と化すか
原罪が惑星覆ふ日の笹子
竹馬を基地のフェンスに立てかける
2015-11-29
10句作品テキスト 竹岡一郎 進メ非時悲ノ霊ダ 番外篇
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