【週俳8月の俳句を読む】
水の流れのように
石橋芳山
俳句を真剣に読むのは、初めてだろう。なぜ鑑賞をと思いついたのかも自分では分からない。感じたことを素直に述べさせていただく。
進藤剛至「清水」10句の作品は、決して難しい句ではなくどちらかと言えば、分かり易くて素直な句に思える。そして詠われている句は、自分の感性と動作を鋭く観察して無駄を極力省いた言葉で構成されている。5・7・5が途切れることなく絡まり水の流れのようにスムーズに耳の中・頭の中に流れ込んで、詠っているその情景が自然に脳裏に浮かび上がる。
更衣さびしき腕を組みかへて 進藤剛至
半袖から長袖の衣替え、半袖の場合は自分の肌に直接触れていたが、長袖になることで右腕と左腕の肌が直接触れあうことがなくなる。それは右腕と左腕は他人とも思える、違和感からの寂しさとも不安とも言い知れぬ思いに、ついつい腕を組み替えている自分に気付く。しかしこの行為もほんの2~3時間だろう。
まだ顔をもたずに伸びて青芒 同
恥ずかしい事に、私は「青芒」なる物を知らなかった、この句との出会いで調べて写真を見るなり納得である。なんともこの「まだ顔をもたず」との、ピッタリの言葉には感激である。この句で改めて思ったのが、芒の先っぽのフワフワの髭のようなものが顔なのだと。確かにあの部分を見て芒と分かるのだから顔で間違いがない。
2016-09-11
【週俳8月の俳句を読む】水の流れのように 石橋芳山
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