〔今週号の表紙〕
第563号 火力発電所
第563号 火力発電所
小津夜景
ロンドンの現代美術館テート・モダンは、火力発電所として利用されていた煉瓦造りの建物をヘルツォーク&ド・ムーロンが改築したもの。これと同様リスボンにも、煉瓦造りの火力発電所を再利用した電力博物館&現代美術館MAATという巨大施設があり、博物館の方は実際に使われていた発電装置をそのまま展示しています。このサイトの写真二枚目左側が旧発電所、右側が新館。運営母体はポルトガルの電力会社なのだそう。
巨大な発電装置はBABCOCK AND WILCOX製。紛うことなきスチームパンクの世界です。地下一階にゆくと、マネキン製の労働者が石炭をくべていました。
SFはクロックパンク、ディーゼルパンクなど多様に分化していますが、こういった装置を訪れるとスチームにはコンセプトとしての魅力に加え、人類史を転換するにふさわしいダイナミックで頑丈な肉体とそのオーラ(水蒸気?)がしっかりと備わっていたのだなあ、と改めて感じ入ります。
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