中嶋憲武✕西原天気の音楽千夜一夜
第60回 カーペンターズ「明日への旅路」
憲武●B面の曲と言って今はあまり通じないかと思うんですが、例えば「旅終へてよりB面の夏休」こう言った俳句も今はあまり共感されないのではないかと。
天気●たしかに。A面・B面に馴染みのない人が多いでしょうね。レコードからCDへ移行して、もう30年近いですから。そのCDも消えていきそうですが。
憲武●はい。むかしカーペンターズが好きでよく聴いてたんですけど、全盛の頃はシングルばかり買いあさっていて、アルバムを聴くようになったのは、ここ10年くらいです。
天気●それはまたコアな!
憲武●オーディオマニアでもないのに。
天気●ねえ?
憲武●で、「イエスタデイ・ワンス・モア」のB面のこの曲。いいっす。
憲武●カーペンターズといえば、それもイエスタデイ・ワンス・モアが大ヒットしていた頃は、ニコニコしてるイメージしかなかったんです。
天気●兄妹して満面の笑みでジャケット写真に収まっていた。
憲武●それがこの曲ときたら、暗く湿っぽい。歌詞もコンサートツアーなんかやだー、ウチへ帰りたーいというものです。
天気●Roads of sorrow♪ 悲痛ですね。
憲武●で、これ当時中学一年だったかと思うんですが、心情にぴったりハマって、ヘビロテしてました。
天気●中一で「旅はヤダ。家に帰りたい」と思ってたんですか? メランコリーな13歳!
憲武●夜、外へ出て星見て泣いたりしてました。この曲、フルートが入るところとか、この間亡くなった井上堯之とか影響受けてそうな感じしますよね。「傷だらけの天使」というドラマのBGM「天使の憂鬱」とか「太陽にほえろ!」に使われてた曲で名前忘れたけど、それとか。
天気●そのへんはよくわかりませんが、洒落たメロディですね。カーペンターズって、よく売れて、ポピュラーすぎたぶん、当時、評価で損をしているところがありました。私も中学高校のときは「けっ、カーペンターズ?」てな感じでしたが、メロディーもアレンジも、ほんと、洗練されてる。オトナになってから4枚目のアルバム「A Song for You」をよく聴きました。
憲武●白いハートのね。タイトル曲の歌唱もいいです。レオン・ラッセルの曲ですね。
天気●A面5曲目の「Goodbye to Love」が好きでした。
憲武●「愛にさようなら」ですね。好きな曲です。今回の「明日への旅路」、リチャードのアレンジも素晴らしいですが、カレンのヴォーカルがね。いいんですよ。(椅子から立ち上がって)カレーン! どおして死んじまったんだよおー!
(最終回まで、あと941夜)
(次回は西原天気の推薦曲)
(次回は西原天気の推薦曲)
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