2007-04-22

野川行 中嶋憲武

野川行 ………中嶋憲武

     mixi内「しゅうとんさんの日記」(2007年04月15日)より転載


午前10時、成城学園前駅集合。
H氏、T、僕の3人。
成城の駅前はまったく変わってしまい、きれいなビルが立っている。もう、ムッシュ・ダンやカフェ・ダン、赤痢屋、ガランス、東宝パーラー、マイケル・ウォン、林華園、ジュジュハットなどは無くなってしまっている。

まだ駅前に森永ラブがあると思っていたら、そういえばとっくの昔に無くなっていたのだった。

成城石井で食料を買い込み、野川に沿って歩く。
野川の岸は菜の花や、春の花でいっぱい。
調布市に入り、葉月さんがよく行く野川温泉は
ここらあたりかなと思ったりする。
Tが最近作ったという俳句を聞かせてもらう。

  教え子の三十路となりしおらが春

なかなかの出来映えと思う。おらが春に実感が出てる鴨。

野川の水は、意外ときれい。
調布飛行場、ユーミンの歌う調布基地でもある、で、すこし休む。
セスナ機が紙飛行機のように着陸する。
調布飛行場で掩体壕(えんたいごう)というものを初めて観る。
太平洋戦争中に、戦闘機を隠匿していた壕だとか。
小さい。というかかなりちゃち。ウルトラマンに出て来た怪獣、ブルトンの幼虫のころのようなかたち。殺伐とした印象だけ残る。

三鷹と調布の境目あたりに、野川公園の入口があり、そこからごく至近に近藤勇の生家跡があったので、見学。小さな史跡だが、それはそれなりにロマンを感じる。もっと八王子の方だとばかり思っていたのだが、こんなところに近藤勇生家が、という感じ。

またまた野川に沿って歩いていると、うぐいすの声が、すぐ近くに聞こえたので、声の方を見ると、桜の枝の先に雀よりひとまわりも小さいかと思える茶色っぽい小鳥を発見。それが鶯だった。生のうぐいすを初めて見た。小さな体なのに声は大きく美しい。しばし鳴き声を堪能。

小金井あたりで引き返して野川沿いを、来た方向とは反対側の岸を歩く。背丈ほどの菜の花が群生するなかを、菜の花の花粉を振りかぶりつつ、行進。カワセミを見つける。とてもきれいな青色。生れて初めて生カワセミを観る。飛ぶときの羽根の色がなんとも言えないあざやかなブルー。

東京って、まだまだ田舎だな。この間、杉並区をぐるぐるした時にも田舎の風情が残っていて、そう感じたのだが、今日もそう感じた。最先端の町並みはほんの一部なのだ。

目や耳に珍しいものや美しいものの保養をさせて、身体は疲れたが、心地よい疲れで、20キロちかく歩いたと思うけど、疲れて、ああ、やんなっちゃったって感じではない。

成城駅へ戻り、すこしお茶して別れる。

池袋でなんか食って帰ろうと思い、どこがいいか考えているうちに、先日のたじまのぶろぐの書き込みを思い出し、「最後の晩餐」の法則を確かめるべくサイゼリヤに入る。

でも、法則は確かめられなかった。「最後の晩餐」ではなくて、
ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」が飾ってあったから。


2 comments:

匿名 さんのコメント...

どうも、葉月です。

天気さん憲武さんをはじめ、関係者の皆々様方創刊準備号おめでとうございます。

早速私の好きな銭湯のことも話題にしていただき光栄です。大したことではないのですがちょっと訂正を。野川温泉ではなく野川浴泉http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E9%87%8E%E5%B7%9D%E6%B5%B4%E6%B3%89&lr=です。是非ご近所の方は寄ってみてください。

ぱんだ月 さんのコメント...

一昨日30年ぶりに林華園でお昼を食べました。成城で2番目にうまい店の看板も変わっておらずうれしいかぎり。残念ながら無くなってしまったのは栄華飯店かと思います。