2007-05-06

暮らしの歳時記 春炬燵

暮らしの歳時記 春炬燵(編註1) ……山本勝之


そろそろ炬燵をしまおうかと思うのであるけれど、なかなか決心がつかない。この春の天候不順のせいもあるのだが、去年も5月が寒くって、一度しまった炬燵を再登場させてしまった経験からである。トラウマやね。

おまけに、我が家の炬燵ときたら、引っ越して来た当初(編註2)、なんの暖房装置もなく、寒い日は布団の中で過ごすか、毛布を腰に巻いて台所に立つという、ワタシの姿を見かねたS山さんからいただいたもので、数年前に天板に取り付けてある、赤外線暖房部分が落下、現在は田舎から送ってきた食材を梱包してあった麻紐で吊ってあるのですね。

ですから、しまいこむとすると、紐を解いて暖房部分を取り外し、足を取ったり、二つに折りたたんだりと、なにかとたいへんなのである。

そんでもって、炬燵の掛け布団はColemanの軍用寝袋を開いて使っているしで、もう、たいへんなんすからー!

押し入れでは、夏になったら毎年恒例〝部屋にプールのある男〟の為のビニールプール(編註3)と、ゼンマイあひる、ピンクフラミンゴさんがひかえているというのに…。

さて、今年のプール開き(編註4)はいつにしたものかと、足踏みパフパフさん(編註5)を空踏みしながら、思案に暮れるのであった。

筆者註:以上はフィクションであり、事実と似ているようなことがあるとすれば、ほんの偶然です)


(編註1) すでに立夏だというのに。
(編註2) 現住所は東京・上野桜木。(編註3) あるとき長い留守ののち帰宅するとプールの水が腐臭を放っていたという。(編註4) 夏の季語。(編註5) 正体未詳。

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