落選展2007
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2007-10-28
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俳句にまつわる諸々の事柄。
photo by Tenki SAIBARA
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1 comments:
鮟鱇です。
「落選展」応募のみなさんに、御礼を申し述べたく、失礼します。
まず、応募のみなさんに心から敬意を表します。みなさんの応募の動機は、決して一様ではないと思いますが、落選の作をわたしたちに読んでみてくれ、というものです。かりに私がみなさんの立場であったとすれば、私の狭量ではありますが、募集に応じるには、プライドが許さなかったかと思います。
次に、御礼です。私は、俳句は勉強させていただいておりますが、俳人ではありません。漢詩は書いていますが、俳句については、ほとんどシロウトです。クロウトになろうという意志はありません。私の脳内のキーワードのおそらくは80%以上を占める漢語という古い時代のカタカナ言葉を抜きには、わたしは詩を愛せないし、情を感じえないことを自覚しているからです。
しかし、そういうこととは別に、日本人のひとりとして私が書く漢詩は、詩情の質において、残念ながら俳人のみなさんの深さには到達し得ていないのです。ちょっと書けば短歌三十一字の情報量をすぐ超えてしまう漢語の詩を作るには、私の詩情は、きっと短すぎるのだと愚考しています。(なお、俳人のみなさんといいましたが、俳人みんなというわけではありません。)
詩情の質。一個の実作者にとってそれは、世に高く評価されている作品からはなかなか得がたいものです。芭蕉の言葉を借りるなら、「不易」のなかでの世評であり、世評は、明日の「流行」をとりこぼします。そこで「流行」は、一個の実作者にとっては、自分で見つけるしかありません。
そして、「流行」は、自分で見つけようとしたからといって、見つかることが保証されているものでもありません。しかし、あくまでも私にとっては、ですが、みなさんの作品から漢詩に応用してみたいと思える発想や作法を、少なからず学ばせていただきました。みなさんの作品と、それを提供してくださったみなさんに心から御礼申しあげます。
感想は色々書かせていただきましたし、書かせていただかなかったこともあります。特に最初に読んだみなさんについては、十分に書かせていただいておりません。私の読句はみなさんの作品を品評することではありませんし、そのようなことをする資格は、もとより私にはないので、あまり書きませんでした。
繰り返しになりますが、私が書かせていただいたことは、私にとって役立ちそうなことだけです。もしみなさんが、もっと客観的な感想なり評価をお求めだったとすれば、そのご期待に沿っていません。私が書いたことがみなさんの意に沿わないものでありましたら、何もわかっていない者の言であると思ってください。俳句は作らないが一個の実作者がみなさんの句をどう読んだか、ということが、否定的にであれ(いくらかは肯定的にであれ)みなさんの今後の作句のお役に立てばと願います。
みなさんのますますのご活躍を祈念し、玉作を読ませていただいたことと週間俳句編集部の企画に、重ねて御礼申しあげます。
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