2009-03-15

10句作品テキスト 神戸由紀子 春眠 

 春眠 神戸由紀子

金色の魚を干して春眠す
蒼天にさらされてゐる桜貝
花冷えの芯まで届く百度石
迷路めくポプラの樹間夕永し
本読めるほどの星空ヒヤシンス
一息にたんぽぽの絮大空へ
ぺしやんこの帽子をなほすクローバー
泥濘に光の遊ぶ初燕
海光や蕊まつすぐに落椿
春眠の終りを告ぐる濤の音

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