〔今週の haiku mp:動画〕
無人の音楽 compilation and text by tenki ≫動画ページ
シェーアバルト『小遊星物語』は1913年に書かれたSF小説。舞台は小惑星パラスと小惑星クィッコー。この幻想的で荒唐無稽な物語のなかに、たしか「風穴の音楽」というのが登場します(記憶違いならごめんなさい。ずいぶん前に読んだ本なので)。
急峻な岩山に穴を穿ち、そこを吹き抜ける風が鳴らす音楽。穴の形状で音を調整するのですが、ちゃんと専門の音楽家がいます。今で言えば環境音楽ぽくもあります。
さて、これ、つくったあとは人間がいなくても鳴り続けるわけで、これを読んで以来、無人の音楽ということがアタマの片隅に残っています。今週、You Tube動画で取り上げるのは、シェーアバルトが夢想した音楽とはすこし毛色が違いますが、人がいない、人の温度を感じない、という点では共通です。
1) World's Most Amazing Musical Instrument 日月火予定
2) fantastic instrument 水木予定
3) Hydraulic Guitar 金土予定
あ、そうそう。シェーアバルトは、永久機関の夢想者でもあったそうです。永久機関も、どこかで「無人の音楽」とつながっているような気がします。
2009-10-04
〔今週の haiku mp:動画〕無人の音楽
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2 comments:
面白いです。
コンピューター・ミュージックも発想の根本はこういうことなんでしょうね。
ただ、これはビジュアル的にもエンターテイメントになっててスゴイ。
あ、それから、永久機関といえば延々水を飲みつづける水飲み鳥なんてのが昔ありました。
水飲み鳥。あれって不思議ですよね。≫Wikipediaによれば…
1. 頭部から水が蒸発する(マクスウェル分布)
2. 蒸発により頭部の温度が下がる(蒸発熱)
3. 温度の低下により頭部のジクロロメタン蒸気が凝集する
4. 温度の低下と凝集により頭部の気圧が下がる(理想気体の状態方程式)
5. 頭部と胴体の気圧差により管内の液面が上昇する
6. 液体が頭部に流れ込むことで重心が上がり、前方へ傾く
7. 傾くことで管の下端が液面より上に出る
8. 蒸気の気泡が管を通って上昇し、液体は下降する
9. 液体が胴体に流れ、頭部と胴体の気圧が平衡する
10. 液体が胴体へ戻ったことで重心が下がり、鳥は元の直立状態に戻る
かなり複雑なシステムです。
でも、気温という外部エネルギーを利用しているので、永久機関ではありません(為念)。
永久機関が不可能であることは、シェーアバルトの時代よりもずっと前、19世紀にはわかっていたそうです。
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