2009-11-22

10句作品テクスト 対馬康子 垂直

 垂直   対馬康子

白鳥の柵嚙む音のして暮れる
針がふる雪ふる電報の小窓
檸檬吸うさみしさは生温かい
寒潮へ連星の黒いかたまり
新海苔や薄い木箱の蓋に釘
人影を入れ鯛焼きの腹太る
土に触れ聖書に触れている晩秋
残菊の垂直に死はすべり落つ
絵の中に雨青くあり蕎麦の花
冬灯砂吐く貝の水の揺れ


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