2010-02-14

10句テキスト 伊藤伊那男 華甲の頭

華甲の頭   伊藤伊那男

獅子舞に噛ます華甲の頭かな

手毬唄久しく聞かず忘れたり

負け独楽は吾が性ならむ諾へり

かの人の賀状もう来ずもう出さず

寒梅の香のはかなさも近江かな

心の臓のみのくれなゐ雪女郎

道問へば上る西入る蕪村の忌

毛糸玉転がしてみてまだ編まず

山焼の火の一筋の直情に

春障子よしなし事を母とゐて

0 comments: