渋川京子 遠きてのひら
びょうびょうと桜はさくら色に堪え
蓬原からだの電気抜きにゆく
雉笛吹いて木目あざやかなる男
花どきの空の冷たさメダルにあり
影に追いつけぬよ日傘白すぎて
花は葉に枕は果てしなく沈む
錦鯉ときどき自分を呑みこめり
しんがりとしての大きな白日傘
鵜の声につながっている非常口
足裏よりも遠きてのひら椎匂う
●
2010-05-30
10句作品テキスト 渋川京子 遠きてのひら
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俳句にまつわる諸々の事柄。
photo by Tenki SAIBARA
渋川京子 遠きてのひら
びょうびょうと桜はさくら色に堪え
蓬原からだの電気抜きにゆく
雉笛吹いて木目あざやかなる男
花どきの空の冷たさメダルにあり
影に追いつけぬよ日傘白すぎて
花は葉に枕は果てしなく沈む
錦鯉ときどき自分を呑みこめり
しんがりとしての大きな白日傘
鵜の声につながっている非常口
足裏よりも遠きてのひら椎匂う
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