10句作品テキスト 山口都茂女 泊まつてけ

　泊まつてけ　山口都茂女

馬流(まながし)の川を思へり紅葉山
菜を間引く顔のほとりを小海線
名を問へば星見と答ふ七五三
小豆干す山の裏には日本海
冬耕や水をゆたかに海知らず
なべ磨くだけのばばさま冬日向
枯木には雪が咲くから泊まつてけ
朴落葉ばかりの峠攫はれさう
定住と決めてたつぷりくわの葉茶
黒のベレー探しに戻る枯木山

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