雫 土肥あき子
十二月一日雲の美しき
短日や船に錨のひとつづつ
航跡のたちまち消ゆる冬鴎
手袋を重ね話の噛み合はぬ
冬満月焔ときをり咲くやうに
曲りたるところ密なり冬銀河
寒林の背筋のなかを抜けにけり
雪しんしん夢のなかでは鳥けもの
雨の音あるいは枯野の燃ゆる音
猪罠に雫溜りてゐたりけり
●
2010-12-05
10句作品テキスト 土肥あき子 雫
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photo by Tenki SAIBARA
雫 土肥あき子
十二月一日雲の美しき
短日や船に錨のひとつづつ
航跡のたちまち消ゆる冬鴎
手袋を重ね話の噛み合はぬ
冬満月焔ときをり咲くやうに
曲りたるところ密なり冬銀河
寒林の背筋のなかを抜けにけり
雪しんしん夢のなかでは鳥けもの
雨の音あるいは枯野の燃ゆる音
猪罠に雫溜りてゐたりけり
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