2011-01-30

10句作品テキスト 菊田一平 紀文

 紀文 菊田一平

松三日笑んでゑぼしの吉右衛門
息白く立ちて北衛士詰所前
またひとつ熱く輝き冬の星
おほかたのこひはかたこひうたかるた
探梅の過ぎて寺町箪笥町
薄氷の底に丸太のやうな鯉
ラジオからノイズ阪神震災忌
鴛鴦のけんくわに水の揺れどほし
はんぺんのマークは紀文鬼は外
回廊に木靴の響き日脚伸ぶ

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