中嶋いづる 秋熟す
蛇穴に愚直にのびる野鍛冶の火
地にすがる秋蝶不意の風に耐ゆ
陽だまりの猫見上げたり割れ石榴
後ろから自転車枯れてくる真昼
裏街に刃物の匂い柿熟す
魚臭の町争うごとく銀杏降る
運河に沿う煉瓦のうねり霧が這う
慟哭の牛朝霧の草を食む
鉄臭の残る手のひら秋惜しむ
寒林に追いつめられて鍵まわす
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2012-11-18
10句作品テキスト 中嶋いづる 秋熟す
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photo by Tenki SAIBARA
中嶋いづる 秋熟す
蛇穴に愚直にのびる野鍛冶の火
地にすがる秋蝶不意の風に耐ゆ
陽だまりの猫見上げたり割れ石榴
後ろから自転車枯れてくる真昼
裏街に刃物の匂い柿熟す
魚臭の町争うごとく銀杏降る
運河に沿う煉瓦のうねり霧が這う
慟哭の牛朝霧の草を食む
鉄臭の残る手のひら秋惜しむ
寒林に追いつめられて鍵まわす
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