第240号~第249号より
茅根知子さんのオススメ記事
第248号 四ッ谷龍:藤田哲史の俳論はすぐれて作家的である 「傘karakasa」第3号を読む
総合誌は、本屋に行けば買える。しかし、俳誌・個人誌などは、その存在すら知らないものも多い。「俳誌を読む」は、なかなか目にする機会が少ない“いいもの”の存在を教えてくれる。
ことに、「傘Karakasa 第3号を読む」は、「傘Karakasa 第3号」に掲載されている「飯田蛇笏特集」について紹介しているのだが、なぜか読んでいて気持ちがいい。
蛇笏の俳句/について語る藤田氏の文章/を四ッ谷氏が解説する。この三重構造が、雲の辺りから俯瞰して三者を見ているような錯覚となり、なんとも贅沢な気分になれる。
さて、気分だけの話ではない。「傘Karakasa 第3号を読む」は、蛇笏の初期の俳句と後年の誰もが知る俳句を比較した藤田氏の論に、さらに四ッ谷氏が独自の論を被せているのだが、これが滅法ロジカルで、かつ優しく「でしょう?」と問いかけてきて、うん!と頷いてしまう。
『俳句が引き起こす(それは元々まで極めれば言葉そのものが引き起こす)感情の連鎖は、時間空間を超えて無限につながっていくべきものだということを言っているのである。その連鎖に信頼をもつ者のみが、俳句創作に関わりつづける力をさずかることができるのであろう』という言葉が、ココロにキュッと刺さる。蛇笏には到底及ぶわけはないが、それでも、俳句を作っていこう、進んでいこうと根拠のない自信をもたせてくれる記事である。
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2013-01-20
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