西 下 中原道夫
にほの海蘆荻に水も溫むころ
分乘に見る春雨の右左
筌・竹瓮いつを最後に乾きたる
おそろしく値の張る寒の根芹とふ
摘草を料るにさつといふ手順
ひたすらにも飽き何處ゆく風二月
立錐の餘地春雨の傘立に
懐手湖岸は煙るものとして
老殘のなぐさみ盆の梅ひらく
つつがなく酒(ささ)が囘れば諸子焦げ
荒ち男の病むと聞きたり蜆汁
括淡と延べ春の湖國土なす
啐啄やきさらぎの殻まだ堅き
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2013-02-24
10句作品テキスト 中原道夫 西下
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