2013-03-17

10句作品テキスト 大穂照久 叙景

叙景  大穂照久

花屋より流れ出てくる春の水
金網の合間から散る紅椿
パーキングエリアを出れば春の雨
春の波何度も寄せるコンビナート
建国記念日女子の真っただ中に
路線バスときどきよぎる潮干狩
街々の灯りはじめる百千鳥
弟は流氷を見に行くという
風船をはなさずにいる夜の枝
蛍烏賊の一匹が待ち続けている


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