句集好き
林 正行句集『宙』(昭和63年)
上田信治
林 正行 はやし・まさゆき
大正11年生まれ。神生彩史に師事。「白堊」同人。句集『大王崎』『『洲』『宙』『大将』『東洋一』『俳句バンザイ』。
林正行という人のことは、大畑等さんのブログで知りました。(「今朝も俳句かあ」)
この人は、波多野爽波の〈波音の大王岬の蚊と生れ〉で知られる、三重県志摩市の大王岬(だいおうざき)灯台の真下で、土産物店兼食事処「東洋一」をやっていました。
2006年に刊行された『俳句バンザイ』が「全句集」となっているので、ご存命ではないかもしれません。
前略は今も雨蛙に似ている 『宙』
秋風の疣容れやまぬ大広間
かんたんに啼く鶯や銭たまる
結婚式が多くて太平洋が白い
人らみなみかんの皮を尻からむく
水門を西瓜の皮がいま通る
烏になる気持ちで灯台にはのぼらぬ
あぶらあげどこまでおぼろ月なのか
こういう俳句は、面白いと思えばぜんぶ面白いし、そうでないと思えばそうでないようなもので、書き抜いていると、ぜんぶ書いてしまいそうになります。
第一句集『大王岬』のあとがきを「大王岬はよいところです」と書き始める林正行さんは、とても懐かしいかんじのする人です。
今年、伊勢志摩方面へ行く機会があって、大王﨑に寄ってみたら、「東洋一」営業中でした。たいへん、うれしかったです。
追記「東洋一」食堂としても、すばらしいらしい。
≫食べログ
(上田信治)
句集『大王崎』より「私・・・」
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1 comments:
ああ、なんか、良いですね。
ありがとうございます。
僕も帰省したときには
行ってみたいと思います。
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