自由律俳句を読む 7
かたち
馬場古戸暢
今回は「かたち」。いろいろな「かたち」が、この世界には存在するのである。
畑の足跡のかたちに霜 北田傀子
読んでそのまま、すっと景が浮かんでくる句。農業に携わっている人であれば、なおさらである。昨日も自身が歩いた証拠が、今日の地面に彩られて残っている。
小さな田が三ヶ月のかたち 薄井啓司
こちらも農業つながりだが、田んぼを月齢であらわし、かつ、それをかたちとしたところが面白い。しかし非常に残念なことに、田植えすらしたことのない私には、三ヶ月のかたちを想像しかねる。
さよならのかたちのまま手袋を脱ぐ 松田畦道
掲句は「さよなら」のかたちときた。なんともいえない温かさ、そして見送った際の寂しさが、かたちとして残ったのである。「なごり雪」を想像したのは、私だけではあるまい。
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かたち
馬場古戸暢
今回は「かたち」。いろいろな「かたち」が、この世界には存在するのである。
畑の足跡のかたちに霜 北田傀子
読んでそのまま、すっと景が浮かんでくる句。農業に携わっている人であれば、なおさらである。昨日も自身が歩いた証拠が、今日の地面に彩られて残っている。
小さな田が三ヶ月のかたち 薄井啓司
こちらも農業つながりだが、田んぼを月齢であらわし、かつ、それをかたちとしたところが面白い。しかし非常に残念なことに、田植えすらしたことのない私には、三ヶ月のかたちを想像しかねる。
さよならのかたちのまま手袋を脱ぐ 松田畦道
掲句は「さよなら」のかたちときた。なんともいえない温かさ、そして見送った際の寂しさが、かたちとして残ったのである。「なごり雪」を想像したのは、私だけではあるまい。
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