2013-12-22

10句作品テキスト 奥坂まや 海原

海 原   奥坂まや

聡明の白さなりけり蕪漬
水圧で洗ふ車体や日短
山の池鬼が見詰めてゐて冰る
梟のこゑ土踏まずより入り来
大音声飛び交ふ街の寒さかな
ワンルームに吊るす背広や年守る
卵割るやうに今年となりにけり
初湯して万の毛穴が鬨挙ぐる
切断面蒼む鋼や凍つるなり
海原は覇者のしづけさ寒夕焼


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