2014-01-19

10句作品テキスト 川名将義 一枚の氷

川名将義 一枚の氷

寒さうに未来を売りぬ暦売

一枚の氷を天は地にあたへ

ビリビリと音して開く寒牡丹

青饅やいささか味な雨となり

ぼんやりと半月が過ぎ柳の芽

ざぶざぶと水が精出す五月来ぬ

貧乏をながめてをれば麦の秋

いま落ちてしまへば夢や夏落葉

朝顔の萎みきるさへうつくしき

天高し何から忘れはじめよう


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