自由律俳句を読む32
きむらけんじ 〔2〕
馬場古戸暢
前回に引き続き、きむらけんじ句を鑑賞する。
花火上がる夜の君を転がす きむらけんじ
遠花火をききながら、君を転がし自身も転がる。夏の夜のはじまりを詠んだ一句。
死にゆく人の耳許にまた来ると言う 同
お見舞いの帰り際には、決まってまた来ると言う気がする。何故だろうか。
年の瀬の襖を閉めて隙間が残る 同
この鑑賞文を、まさに今、年の瀬に書いているところである。そして我が家の襖にも、隙間が残っていて寒いのである。
床の間の掛け軸あたりに冬が居座る 同
個人的には、床の間の花瓶の隅あたりに、冬が居座っている気がしてならない。
ここで別れの花が冷えている 同
いただいた花か、それとも路傍の花か。別れの寂しさを、花も感じ取っていたのかもしれない。
2014-02-23
自由律俳句を読む32 きむらけんじ 〔2〕 馬場古戸暢
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