2014-02-09

テクスト 普川洋 『連衆』誌より自選十二句

普川洋 『連衆』誌より自選十二句

面白くずらしてありぬ夏の空

喩から出てより等身のかたつむり

スラプスティック風にカフカ館の夏

鳥渡るからっと晴れているポスト

花地図の耳の辺りを越えんとす

色鳥の混み合う創造はいつも

光チャリンと遊び束の間のなり

されば鈍器のやさしさがあって初夏

月のみが知るモナリザの臀部

春の仕掛けのピアノを壊してみた

顔洗うどこかで亀が鳴いている

オイと呼ぶとぼくが出てくるマラソン

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