自由律俳句を読む40
第二回全国自由律句大会〔2〕
馬場古戸暢
前回に引き続き、「第二回全国自由律句大会」応募句を鑑賞する。
恋猫にくれてやったわ暁の夢 須貝孝子
個人的には、非常に好きな雰囲気を漂わせる掲句。発情期の猫の声に起こされた様子が、美しくあるいは滑稽に描かれている。同じ作者に、「すったもんだと春が行くわ」の句もあったが、これもまた私のつぼに入った。
満開の桜を見上げる猫の曲線 秋生ゆき
猫背の猫も、満開の桜を前にしては、背筋を正すほかなかったのだろう。日常の何気ない発見が詠まれていると思う。
遠くを見つめる男にごはんと言う 平岡久美子
年を食った男の背中が浮かぶ句。幸せな日々のひとこまが切り取られている。
雨宿りのそれぞれを帰ってゆく 平山礼子
軒下を共にしたのも束の間、雨が止んだならば皆それぞれの生活に戻って行くのである。なんとなく、さびしさを感じもする。
風は弓なりの穂にやすむ翅 高田弄山
風通しのよい写生句。新奇な句材や表現方法に拠った句ばかりではなく、こうした落ち着きのある句も一定の割合で詠まれて行ってほしい。
2014-04-20
自由律俳句を読む40 第二回全国自由律句大会〔2〕 馬場古戸暢
登録:
コメントの投稿 (Atom)
3 comments:
間違っていたらごめんなさい。
多分
前回の ×本山麗草 は ○本山麓草さん
今回の ×高山弄山 は ○高田弄山さん
だと思うのですが。
私は自由律俳句のことは詳しくないのですが、自由律っ子さんがおっしゃるとおりかと思います。お二方ともけっこう有名な方みたいですし。名前をまちがえるのはちょっとね〜(自分もよくよく気をつけないと)。
ご指摘をどうもありがとうございます。
お二方のおっしゃられる通りです。
麓草氏と弄山氏には、大変に失礼なことをいたしました。
今後、十分に気を付けてまいります。
また誤りなどありましたら、ご指導いただければ幸いです。
コメントを投稿