2014-06-08

10句作品テキスト 髙坂明良 六月ノ雨

 六月ノ雨   髙坂明良

水打つや影煮えたぎる人として
まひまひも恋果てしなく輪描いて
ががんぼのいま巨大化の姿勢なり
しらたまを刺せばたちまち手錠かな
ふき水に指を差し込みよみがへる
父の日を埋める白魚集まりぬ
梅雨に入るグレタ・ガルボのやうな母
ソファーごと沈み宇宙で薔薇が浮き
子の指を荒野と見なしきらゝかな
荒梅雨のなかで生まれた馬を抱き


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