自由律俳句を読む46
喜谷六花〔2〕
馬場古戸暢
前回に引き続き、喜谷六花句を鑑賞する。
我れ春夕の磐をうち町人夕に来る 喜谷六花
時代差がためか、実は「磐をうち」の意味を理解できず、雰囲気で採ってしまった。お寺ならではの景なのだろうか。
みなは寝し仏壇とぢてひと夜の蒲団に入る 同
檀家へ赴いた際の話か、それとも自身のお寺での話か。人の死が見え隠れするが、これもまた、僧侶六花の日常の景だったことだろう。
寒蘭一鉢あるがまゝに愛す君欲しくばやる 同
蘭の愛好家は見た目には静かだが、その実、熱情を持ち合わせているのかもしれない。この申し出を受けて、君はさぞかし喜んだことだろう。
寒菊を置く碧梧桐の書この時分の拮屈 同
床の間に、寒菊と碧梧桐の書を合わせて飾っていたのだろう。しかしどうにも碧梧桐の字は堅苦しい。この書を書いた時の、碧梧桐の心境やいかに。
2014-06-08
自由律俳句を読む46 喜谷六花〔2〕 馬場古戸暢
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