美食の耳 岡田一実
空風おほきな耳が耳のまま
冬帽をおほきな耳と考へる
サーカスに売られし犬と悴めり
午後の陽にゆるされてゐる寒い鳥
肉塊に親しき刃物冬きざす
まぼろしの鹿肉うまき時雨かな
童貞の兎でうさぎ汁を恋ふ
食へさうな象ふかふかと絨毯に
耳があるつづきに顔がある炬燵
飛び交はすおほきな耳に雪が降る
●
2014-11-23
10句作品テキスト 美食の耳 岡田一実
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photo by Tenki SAIBARA
美食の耳 岡田一実
空風おほきな耳が耳のまま
冬帽をおほきな耳と考へる
サーカスに売られし犬と悴めり
午後の陽にゆるされてゐる寒い鳥
肉塊に親しき刃物冬きざす
まぼろしの鹿肉うまき時雨かな
童貞の兎でうさぎ汁を恋ふ
食へさうな象ふかふかと絨毯に
耳があるつづきに顔がある炬燵
飛び交はすおほきな耳に雪が降る
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