【八田木枯の一句】
何もなきことなどはなし初景色
西村麒麟
『夜さり』(2004年)より。
何もなきことなどはなし初景色 八田木枯
確かに。
年末はわけのわからないまま過ぎて行き、気が付くとあっけなく新年を迎える、昔も今もそういうものだ。
まぁでも、そうは言っても、何もなきほどでは無いのである。
走りに走った年末の後に、新年だからと少しだけぼーっとする、これもまた人生で一番楽しい時間の一つだ。
新年を迎えると、いつも木枯さんが一月一日生まれだということを思い出す。木枯さんの初景色は誕生日の日でもある。
何もなき日なわけはない。
亡くなる二ヶ月前に最後に木枯さんに句会でお目にかかった時、たまたま僕の方を見て言葉をかけて下さった。
「君達の世代では、新年の、感じも、なかなか実感できないかもしれないけれど…」
「新年」のもつ美しさを最後に伝えて下さっているようだった。
木枯さんは新年が好きだった。
2015-01-04
【八田木枯の一句】何もなきことなどはなし初景色 西村麒麟
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