2015-04-05

10句作品テキスト 外山一機 捜龍譚(どらごんくえすと)純情編

捜龍譚(どらごんくえすと)純情編  外山一機


 あら じょうだんでしょ。 しんでるひとばかりで たびにはでられなくてよ。
芸者なりやこそ
三味ひきまする
絞る袂が
なんであろ

 このむらが まおうにほろぼされたじゃと? じょうだんも ほどほどにせい!
泣くな〱よ
赤べゞ着さしよ
泣けば山から鬼が来る

 ここは ゆうきをためされる しんでんじゃ。 たとえひとりでも たたかうゆうきが おまえにはあるか?
二十日鼠が五升樽さげて
年もとらぬに
嫁をとる

 ぼく しってるよ。 さいごのカギって どこかのほこらにあるんだよね?
奥の座敷は
六尺屏風
覗きませうよ
縁ぢやもの

 みーたーなあ? けけけけけっ! いきてかえすわけには いかぬぞえ。
かあ〱からす
まだ夜は明けぬ
明けりや切られる
足袋のひも

 おら ひとをころしちまったでな。 しかしエリックってやつは むじつのつみだったらしいよ。 かわいそうになあ…。
あゝ売国
日当るは
霜の柱か
幽霊か

 もし こいびとのエリックとのおもいでのしなでも ささげれば。 オリビアのたましいも てんに めされましょうに。
鼻緒が切れて
子が出来て
何で妾が鬼ぢやらう

 むっつのオーブを きんのかんむりのだいざにささげたとき…。 でんせつのふしちょう ラーミアは よみがえりましょう。
盆が来たなら
帯買うてやろ
赤の白のとうれしかろ

 もし そなたらに まおうとたたかうゆうきがあるなら ひかりのたまをさずけましょ う。このひかりのたまで ひとときもはやくへいわをとりもどすことをいのります。 うまれでる わたしのあかちゃんのためにも…。
くにの土産に
手折りてみたい
ぬしは鶯
わしや梅の枝

 このあなにはいっていったものは だれもかえってこぬ。
けふはこの子の宮参り
ひとつ落ちましよ
どんひやらゝ

0 コメント: