2015-04-26

【八田木枯の一句】摑まずに鯉を見入るや春のくれ 西村麒麟

【八田木枯の一句】
摑まずに鯉を見入るや春のくれ

西村麒麟


摑まずに鯉を見入るや春のくれ 「鏡騒」


冬の鯉は、すーっとヌーっと真っ直ぐ過ぎるだけか、寒そうにじっとしているばかり。春になると活動的になりいきいきと動き出す。鯉の動きでそろそろ春か、いやいやまだ寒いかと思ったりもする。

のんびりと泳いでいて楽しそうだなぁと思う。

餌をやるふりをすると、口をぱくぱくさせて近寄って来たりして、愚かだなぁ、面白いなぁと思う。

油断してるなぁ…。

ガバリ!!

と摑んで抱き上げたらどうなるだろうか…。

いやいや、しないけど。

そんな、春の暮。

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