下坂速穂 水脈
雨粒の白や緑や更衣
帯の上に腹を垂らして町涼み
白日傘古地図の海のあたりまで
眺めては遥かに夏の心かな
一羽一羽鷺と覚えし南風
水といふ水にさざなみ梅雨晴間
子規の風吹く六月の木よ草よ
籐椅子に十七歳となりて猫
蜻蛉の生れて水に還るまで
月満ちてゆき欠けてゆく安居かな
2015-05-31
10句作品テクスト 下坂速穂 水脈
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photo by Tenki SAIBARA
下坂速穂 水脈
雨粒の白や緑や更衣
帯の上に腹を垂らして町涼み
白日傘古地図の海のあたりまで
眺めては遥かに夏の心かな
一羽一羽鷺と覚えし南風
水といふ水にさざなみ梅雨晴間
子規の風吹く六月の木よ草よ
籐椅子に十七歳となりて猫
蜻蛉の生れて水に還るまで
月満ちてゆき欠けてゆく安居かな
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