円 青本柚紀
雨の学祭花をつけない木ばかり太い
台詞つかへて背後に海のあるごとし
入梅の夜がゆたかに枝を張る
目つむりて見る空蟬のうすみどり
瓜熟れて円錐のまた太るなり
過去ばかり見てゐる海老の曲がり方
明るい惨劇けふも胡瓜は曲がつてゐる
噴水が平らで街の死が近い
母語どこにもなくて花火が水に映る
未来形たしかな朝顔の円の
●
2015-07-26
10句作品テキスト 青本柚紀 円
登録:
コメントの投稿 (Atom)
毎週日曜日更新のウェブマガジン。
俳句にまつわる諸々の事柄。
photo by Tenki SAIBARA
円 青本柚紀
雨の学祭花をつけない木ばかり太い
台詞つかへて背後に海のあるごとし
入梅の夜がゆたかに枝を張る
目つむりて見る空蟬のうすみどり
瓜熟れて円錐のまた太るなり
過去ばかり見てゐる海老の曲がり方
明るい惨劇けふも胡瓜は曲がつてゐる
噴水が平らで街の死が近い
母語どこにもなくて花火が水に映る
未来形たしかな朝顔の円の
●
0 comments:
コメントを投稿