光足りず 青本瑞季
夕虹を指すに遅れて嗚呼と云ふ
木曜の山羊よこたはる暗さかな
切株の膚のごとくに蛾の鱗粉
鬚の凸あまたうつすら汗を乗せ
少年の眼濁流めく午睡
夕菅や矢を射るごとく名を呼んで
夏木光足りず黙禱のまなうら
黙禱そして向日葵はあをざめ光る
花カンナ貨車過ぐるとき悲鳴に似る
鳥の屍より甲虫光る、臭ふ
●
2015-08-16
10句作品テキスト 青本瑞季 光足りず
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photo by Tenki SAIBARA
光足りず 青本瑞季
夕虹を指すに遅れて嗚呼と云ふ
木曜の山羊よこたはる暗さかな
切株の膚のごとくに蛾の鱗粉
鬚の凸あまたうつすら汗を乗せ
少年の眼濁流めく午睡
夕菅や矢を射るごとく名を呼んで
夏木光足りず黙禱のまなうら
黙禱そして向日葵はあをざめ光る
花カンナ貨車過ぐるとき悲鳴に似る
鳥の屍より甲虫光る、臭ふ
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