週刊俳句2015年アンソロジー 47名50句
日脚伸ぶ醤油を弾く目玉焼き 小野あらた 第405号
乱数も焚火の一つ枯木灘 花尻万博 第406号
うがいするまだらな音を出しながら なかはられいこ 第409号
飛ぶ夢を見るたび眉毛太くなる 兵頭全郎 第409号
え戦争俺のとなりで寝ているよ 赤野四羽 第409号
色即是空尾骶骨より雪もよい 安西 篤 第412号
薔薇いつも一つの距離でありにけり 渡辺誠一郎 第412号
母の顔剃れば健やか雛祭 山西雅子 第413号
葉牡丹が特殊な性癖だとしたら 北大路翼 第415号
奥の座敷は
六尺屏風
覗きませうよ
縁ぢやもの 外山一機 第415号
爪切りて手の皺新た百千鳥 阪西敦子 第415号
鉄分を豊かに春の眠りかな 西原天気 第416号
平城京 大量に浮くブラウン管 柳本々々 第419号
著莪の花名刺の角の疲れたる 森島裕雄 第420号
白魚を買ふ豹紋のワンピース 五十嵐秀彦 第420号
らふそくの火ともしごろのタイの夜 武藤雅治 第421号
葉桜の蔭を男の顔が来る 村上鞆彦 第423号
子規の風吹く六月の木よ草よ 下坂速穂 第423号
目鼻消し泣きたき日あり雲の峰 利普苑るな 第424号
対UFO秘密兵器として水母 喪字男 第426号
ハンカチと呼べばそう詩と呼べばそう 福田若之 第427号
屋上に仮店舗ある涼しさよ 仮屋賢一 第429号
なきごゑの四方へ抜けたる夏落葉 安里琉太 第429号
爪のかたちにずれがある定刻 馬場古戸暢 第430号
花火あふぐ顔融け合ふや無辜なるや 竹岡一郎 第430号
噴水が平らで街の死が近い 青本柚紀 第431号
君持つ其れ流木或いは氷菓の匙 生駒大祐 第431号
水からくりからころ水濡れてからころ水 宮﨑玲奈 第432号
知り合いもなくて夏祭りに二人 柴田麻美子 第433号
花カンナ貨車過ぐるとき悲鳴に似る 青本瑞季 第434号
かたむきて翅青みたり糸蜻蛉 藤井あかり 第435号
向日葵を裏より見れば怒濤かな 大塚凱 第435号
棒読みの防災無線南瓜切る 江渡華子 第436号
秋のてふてふ考へろみろブルース・リー 中山奈々 第436号
声変わりしてるしてない氷菓食う 中谷理紗子 第436号
保育園には鈴虫に会ひに行く 矢野玲奈 第437号
木槿咲く少女はサドル高くして 小林すみれ 第438号
猿を見て人を見て秋風の中 きくちきみえ 第439号
老人に玉藻のやうなこころあり 松本恭子 第440号
泣いたから訊けばわかめにゃ顔がない 榊 陽子 第442号
満月が毀(こぼ)れてはデモ隊となる 竹岡一郎 第446号
漆黒たらんと白鳥のこころざし 竹岡一郎 第447号
秋蝶の家族であった風ばかり 千倉由穂 第448号
をはらない縄跳の輪へ灰と雪 竹岡一郎 第449号
嵌めて鳴る革手袋や月曜来 相子智恵 第451号
テニスしてをりしがいつか枯草に 関悦史 第451号
金曜日のくびれあたりのきんようび 樋口由紀子 第451号
北風の鳴ってゐるなり薔薇の蔓 角谷昌子 第452号
自転車の素手の時雨れてゆくばかり 太田うさぎ 第452号
冬ぬくし水ぎりぎりを蟻が行き 西村麒麟 第452号
〔村田 篠 選〕
2015-12-27
週刊俳句2015年アンソロジー 47名50句
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