2016-01-31

10句作品テキスト 曾根 毅 国旗

国 旗   曾根 毅 

蝌蚪の水国旗の端を浸しけり

黄砂降る頭数のみ増え始め

平和憲法蠅の手つきを真似てみる

蘭鋳の臍のあたりが水の底

揚羽蝶耳のうしろが痛くなり

仔兎のテリーヌを経て明け易し

戒名に寄り添っている丹波栗

どの指も朱肉に塗れ年の暮

寒月光松に習えば松に消え

寒林過ぐ次の電車は血を流し

0 comments: