2018-07-22

後記+プロフィール587

後記 ◆ 岡田由季


21日(土)、「オルガンミーティングIN大阪」の一日目に出席しました。テーマは「句集はどこへ行くのか」。オルガンのメンバー5人に加え、川柳や短歌の分野からもパネリストを迎えての勉強会。「どこへ行くのか」というところまでは、話が辿りつけなかったようにも感じましたが、各氏の、句集に対する考え方に触れることができ、興味深かったです。

内容の詳細については、何れどこかでレポートが掲載されることと思います。

22日(日)は、梅田の蔦屋書店にて、句会形式のイベントが行われるとのことです。ご出席の方はお楽しみください。

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 内輪で褒めあう、というのはあまりスマートなことではありませんが、人間ですので完全にそれを避けることは難しいように思います。学生時代、心理学の授業で「単純接触効果」ということを習いました。見る回数の多い顔は、それだけで好もしく思えるというものです。俳句でも、普段から句会等で親しんでいる作風であれば、理解しやすいし、ある程度好意的に読んでしまうでしょう。

俳句の知識が幅広くあり、力のある読み手、とされている方でも、評を読んでいると「この方は、少々身贔屓が激しいなぁ」と思うことがあります。それが、戦略的なものか、自然にそうなってしまうのかは、私にはわかりません。逆に、極力、そういうバイアスを排除して、冷静に読もうとされている読み手もいます。そのような方でも、稀に、「この人でも、少し贔屓目にみてしまうことがあるんだなぁ」と思うことがあります。なので、私のような勉強不足の者が、客観的に判断することはもっと難しいのでしょう。

それでも、自分のいる集団を愛するあまり、他者が劣っていると思い込んだり、周りに能力の高い人が多くいるからといって、自分も能力が高いと勘違いするのは恥ずかしいですから、それだけは気をつけたいと思っています。



それではまた、次の日曜日にお会いしましょう。


no.587/2018-7-22 profile


■金山桜子  かなやま・さくらこ  1959年生まれ。「運河」所属。現代俳句協会会員。
句集『水辺のスケッチ』
   

柳本々々  やぎもと・もともと
かばん、おかじょうき所属。東京在住。ブログ「あとがき全集。」

■森澤 程 もりさわ・てい 1950年、長野県生。現在、奈良県橿原市在住。「花曜」「光芒」「風来」を経て、現在 「藍」同人。

中嶋憲武 なかじま・のりたけ
1994年、「炎環」入会とほぼ同時期に「豆の木」参加。2000年「炎環」同人。03年「炎環」退会。04年「炎環」入会。08年「炎環」同人。

山中西放 やまなか・せいほう 1938年京都生。2012年より「渦」編集長。句集『風の留守』、『炎天は負うて行くもの』。他詩集2冊。

西原天気 さいばら・てんき 1955年生まれ。句集に『人名句集チャーリーさん』(2005年・私家版)、『けむり』(2011年10月・西田書店)。笠井亞子と『はがきハイク』を不定期刊行。ブログ「俳句的日常」 twitter

■岡田由季 おかだ・ゆき
1966年生まれ。東京出身、大阪在住。「炎環」「豆の木」所属。2007年第一回週刊俳句賞受賞。句集『犬の眉』(2014年・現代俳句協会)。ブログ 「道草俳句日記」


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