【空へゆく階段】№12
あの頃
田中裕明
あの頃
田中裕明
「俳句」1997年11月号・掲載
大学三年四年生の時分には一人で「青」の編集をしていた。それも就職が決まって続けることができなくなる。4月、新入社員研修の最終日に受賞の知らせ。爽波先生に編集事務引継の電話を掛け、用件を済ませてから「実は…」と受賞を伝えた。しばらく間をおいて、何故はじめにそれを言わぬと叱られたのを思い出す。はじめての有給休暇を使って東京会館での授賞式に出席した。夏服の背広をはじめて着て。
≫解題:対中いずみ
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